※本ブログの情報は、特定の金融商品への勧誘を目的としたものではありません。投資の最終判断は自己責任で行ってください。
はじめに
2025年1月にトランプ大統領が就任してから約1年が経ちました。就任直後から矢継ぎ早に発動された関税措置は世界中を混乱させ、日本経済にも大きな影響を与えています。
今回はトランプ関税が日本経済と個人投資家にどんな影響を与えたのか、そして今後どう対応していけばいいのかをまとめていきます。
S&P500やオルカンに積み立て投資をしている方にとっても無関係ではない話なので、ぜひ最後まで読んでみてください!
トランプ関税とは?1年間の動きを振り返る
トランプ大統領は2025年1月の就任以降、「アメリカ第一主義」を掲げて立て続けに関税措置を発動しました。
主な動きをざっくりまとめると以下の通りです。
- 2025年4月:全世界からの輸入品に一律10%の追加関税(ベースライン)
- 2025年4月:完成車に25%の追加関税
- 2025年5月:主要な自動車部品に25%の追加関税
- 2025年6月(6/4発効):鉄鋼・アルミの追加関税が25%→50%へ引き上げ
- 2025年7月:日米協議が合意(対日関税の枠組みが整理)
- 2025年8月(8/7発効):対日相互関税は原則15%へ(適用開始)
※品目によっては既存関税(MFN)との関係で扱いが異なる場合があります。
※上記の時系列はジェトロの公開資料を参考にしています。
特に日本企業にとっては4月から夏にかけて立て続けに関税が繰り出された1年でした。
ただ、7月の日米協議合意を経て、8月から対日相互関税が原則15%で適用されることになり、ある程度の見通しが立てられるようになりました。ジェトロの調査(2025年9月実施、2025年11月公表)でも「ビジネス上の不確実性が低下し、事業判断がしやすくなった」との声が多かったようです。
とはいえ、適用開始後も例外規定や品目別措置、追加発動の有無などで不透明感は残っている点には注意が必要です。
日本経済への影響
では、実際に日本経済への影響はどうだったのでしょうか?
結論から言うと、当初懸念されたほどの大打撃にはなりませんでした。
帝国データバンクの試算(2025年8月)によると、トランプ関税による2025年度の実質GDP成長率への影響はマイナス0.4ポイント程度とされています。決して小さくはないですが、「日本経済が壊滅的な打撃を受ける」という最悪のシナリオは避けられた形です。
※この試算は関税の適用シナリオなど一定の前提に基づく推計です。
さらに注目すべきは、2025年の日本の輸出額(貿易統計・通関ベース)が過去最高の約110兆円を記録したという点。
自動車の対米輸出は確かに減少しましたが、AI半導体の需要がそれを補って余りある成長を見せたことが大きな要因です。
ジェトロの調査でも、米国に進出している日系企業の約6割超が2025年も黒字を見込んでおり、予想よりも健闘しています。
自動車 vs 半導体、明暗を分けたもの
トランプ関税の影響で、業種によって明暗がハッキリ分かれました。
打撃を受けた自動車業界
自動車業界は4月の完成車25%、5月の部品25%という追加関税をもろに受けました。読売新聞「トランプ関税、日本企業への影響甚大…」(2026/1/19)によると、自動車大手7社の利益は2025年4〜9月期で大幅減少したと報じられています。
ただし、ジェトロの調査では自動車・同部品分野でも6割超が黒字見込みとなっており、これは2024年より10ポイント増加しています。
「あれ?打撃を受けたのに黒字が増えてるの?」と思うかもしれませんが、「黒字見込み」と「前年より利益が減る」は両立します。関税で利益は圧迫されても、円安による為替差益や米国内での生産シフトが功を奏して黒字を維持できている企業が多い、という構図です。
好調だった半導体業界
一方で、半導体業界はAI需要の恩恵を受けて絶好調でした。
特にアジア向けのAI関連半導体の輸出が伸び、関税による自動車輸出の落ち込みをカバー。日本経済新聞「25年輸出額、トランプ関税でも過去最高」(2026/1/22)によれば、AI需要で半導体関連が輸出を牽引したことが、2025年の輸出額が過去最高となった主因とされています。
「関税で苦しむ自動車」と「AI特需に沸く半導体」、この対照的な構図が2025年の日本経済を象徴していますね。
個人投資家への影響と対応策
さて、ここからが本題です。トランプ関税は個人投資家にどんな影響を与えるのでしょうか?
S&P500・オルカン投資家への影響
結論から言うと、S&P500やオルカンに積み立てている人への直接的な影響は限定的です。
なぜなら、S&P500を構成する企業の多くはグローバルに事業を展開しており、特定の国への関税だけで大きく業績が悪化するわけではないからです。
むしろ2025年は、AI関連株(特にエヌビディアなど)が牽引してS&P500は堅調に推移しました。DeepSeekショックで一時的に下落する場面もありましたが、年間を通して見れば悪くないパフォーマンスでしたね。
ただし、関税はインフレや景気減速を通じて企業利益に波及するため、影響が”ゼロ”というわけではありません。あくまで「直接的な影響は限定的」という意味です。
注意すべきポイント
以下の点には注意が必要です。
①為替の変動
トランプ政権はドル高をけん制する発言が出やすく、ドル安を意識した政策が示唆される場面があります。局面によっては円高方向に動くこともあり、円高が進めば米国株投資家にとっては円換算での評価額が下がることになります。
直近の円高についてはこちらの記事でも解説しています。→米当局がレートチェック実施?急激な円高と個人投資家が知っておくべきポイント
②政策の揺り戻しリスク
トランプ政権の政策は良くも悪くも予測が難しいです。関税率の変更や新たな措置が突然発表される可能性は常にあります。
③セクター別の影響
自動車関連株やエネルギー関連株など、政策の影響を直接受けやすいセクターに集中投資している場合は注意が必要です。
個人投資家の対応策
では、具体的にどう対応すればいいのでしょうか?
①積み立て投資は継続でOK
短期的な政策変更に一喜一憂せず、長期目線で淡々と積み立てを続けるのが基本戦略です。私も毎月の積み立ては変えずに継続しています。
②分散投資を意識する
S&P500だけでなく、オルカン(全世界株式)にも分散しておくと、米国一国のリスクをある程度軽減できます。
③為替ヘッジの是非を考える
為替変動が気になる方は、為替ヘッジ付きの商品も選択肢に入りますが、ヘッジコストがかかる点には注意が必要です。個人的には長期投資なら為替ヘッジなしで問題ないと思っています。
まとめ
- トランプ関税から約1年、対日相互関税は(2025年8月の適用開始以降)現時点では原則15%が基本線となりつつある
- 日本経済への影響は当初の懸念ほど深刻ではなく、2025年の輸出額(貿易統計・通関ベース)は過去最高の約110兆円を記録
- 自動車は打撃を受けたが、半導体はAI需要で好調という明暗が分かれた
- S&P500やオルカンに積み立て投資している個人投資家への直接的影響は限定的
- 長期目線で積み立てを継続することが基本戦略
トランプ政権の政策は今後も予測が難しく、不確実性は残ります。ただ、日本企業も「ニューノーマル」として適応しつつあり、過度に悲観する必要は必ずしもなさそうです。
私も引き続き、毎月の積み立てを淡々と続けていく予定です。一緒に長期投資がんばりましょう!

