【2026年版】住宅ローン繰上返済とNISA積み立て、どっちを優先すべき?判断基準を解説

投資

※本ブログの情報は、特定の金融商品への勧誘を目的としたものではありません。投資の最終判断は自己責任で行ってください。

日銀の利上げ局面のなか、変動金利で住宅ローンを組んでいる方にとって、こんな悩みが出てきていないでしょうか。

「毎月のNISA積み立てを続けるべき?それとも住宅ローンの繰上返済を優先すべき?」

2025年12月18〜19日の金融政策決定会合で、政策金利の誘導水準は0.75%程度となりました(日本銀行の公表資料)。変動金利にも(金融機関の改定を通じて)影響が出始めています。一方でNISAの積み立ても止めたくない…。まさに「金利のある時代」ならではのジレンマですね。

今回はこの悩みについて、判断基準を整理していきます。

いま変動金利はどうなっている?

まず2026年2月時点の金利環境を簡単に整理します。

項目状況
政策金利(短期金利の誘導水準)0.75%程度(2025年12月18〜19日決定会合)
変動金利の適用金利(新規)0.3〜1.3%程度(金融機関・優遇条件・団信上乗せ等で大きく差あり/2026年2月時点)
今後の見通し日銀は、見通しが実現していけば政策金利を引き上げていく方針を示しています

※変動金利の最新水準は価格.com 住宅ローン金利比較などでご確認ください。2026年2月時点の情報です。

参考:住宅ローンの固定金利と変動金利の違い(三井住友銀行)

5年ルール・125%ルールについて

すでに変動で借りている人は、多くの金融機関で(主に元利均等返済の場合)5年ルール・125%ルールがあるため、返済額は急変しません。

5年ルールとは、金利が見直されても毎月の返済額は原則5年間据え置かれるルール。125%ルールとは、5年後の返済額見直し時にも直前返済額の1.25倍までに抑えられるルールです。

ただし、元金均等返済を選んでいる場合やルールを採用していない金融機関もあるので、ご自身の契約内容は必ず確認してください。

参考:5年ルール・125%ルールの仕組み解説(SBI新生銀行) / 楽天銀行 用語集

見落としがちな「未払利息」のリスク

そして見落としがちなのが、返済額が据え置かれていても、内部的には利息の割合が増えて元本の減りが遅くなっている可能性があるという点です。金利上昇が大きい場合には、(ルールや商品仕様次第では)理論上、未払利息が発生し得ると説明されることもあります。

つまり、見た目の返済額は変わっていなくても、実質的にはじわじわと負担が増えているかもしれないということですね。

繰上返済 vs NISA、ざっくり比較

手元に100万円の余裕資金があり、今年中にまとめて使う場合で比較してみます。

選択肢効果
繰上返済(金利1.0%想定)年間約1万円の利息を節約(初年度の概算。返済方式・残期間・繰上方法により変動)
NISAで一括投資(期待リターン年5%想定)年間約5万円の運用益が期待(非課税)

※NISAの数字は100万円を年初にまとめて投資した想定です。毎月積立の場合、投資タイミングが分散するため初年度の期待収益はこれより小さくなります。
※住宅ローン控除を満額取れている間は、実質負担(=繰上返済の”確実リターン”)が小さくなる点に注意してください。
※繰上返済は「期間短縮型」のほうが利息削減効果が出やすく、「返済額軽減型」は毎月の安心感が得やすい傾向があります(商品・条件による)。

数字だけ見れば、NISA投資のほうがリターンは大きくなる可能性が高いです。

ただし、ここで注意したいのが「確実性」の違い。繰上返済の利息削減は確定リターンです。一方、NISAの年5%はあくまで過去の長期平均であり、マイナスになる年も普通にあります

実際、2025年4月3日には米国の相互関税発表を受けてS&P500が約4.8%下落し、直近高値から約12%超下落する局面がありました(J.P.モルガンAMによる解説)。通商政策に限らず、こうした急落は今後もいつ起きてもおかしくありません。

つまり、単純な期待値だけで判断するのは危険で、自分の家計状況に合わせた判断が必要ということです。

3つの判断基準

①住宅ローン控除は残っているか

住宅ローン控除が適用中であれば、年末ローン残高の0.7%が所得税・住民税から控除されます(国交省 制度概要)。

控除率0.7%は、入居年・住宅の区分(省エネ基準等)などの要件を満たす場合に適用されます(詳細は国税庁の案内参照)。

(重要)控除額は納税額が上限です。年末残高×0.7%を満額控除できていて、かつ控除対象の残高上限の範囲内であれば、金利1.0%でも控除分をざっくり差し引くと家計負担の見立ては軽くなります(概算)

ただし、利息は平均残高にかかる点などから厳密にはズレるため、あくまで目安です。所得税・住民税の控除上限(住民税は97,500円が目安ですが、一定の場合は136,500円となるなど、条件で変わります)により満額取れないケースもあるので、ご自身の控除額は年末の源泉徴収票等でご確認ください(国税庁 タックスアンサー国交省 Q&A など)。

満額控除を受けられていて家計負担の見立てが軽いなら、繰上返済を急ぐ理由はかなり薄く、NISAを優先する合理性が高いケースが多いです。

逆に、控除期間が終了している場合は繰上返済の優先度が上がります。

②生活防衛資金はあるか

大前提として、生活費6ヶ月〜1年分程度の現金は手元に残しておきたいところです。投資にも繰上返済にも回さない「触らないお金」ですね。必要額は家族構成や収入の安定度(自営業か会社員か、共働きか片働きか等)によっても変わるので、あくまで目安として考えてください。

最近は日銀の利上げでネット銀行の預金金利も上がってきています。預金金利の比較についてはこちらの記事でも解説しています。

③金利がさらに上がっても耐えられるか

ここが一番大事かもしれません。今後さらに利上げが進んで金利が1.5%、2.0%と上がっていく可能性もあります。

金利が上がった場合に毎月の返済が家計を圧迫するリスクがあるなら、繰上返済で元本を減らしておくほうが安心です。逆に2%程度まで上がっても余裕があるなら、NISAを優先する合理性が高まります。

結論

住宅ローン控除が残っていて、生活防衛資金も確保できている → NISAの積み立てを優先

理由はシンプルです。NISAの非課税枠は年間360万円(つみたて投資枠120万+成長投資枠240万)で、今年の年間投資枠は今年しか使えません。繰上返済はいつでもできますが、NISAの年間投資枠は翌年に繰り越せない。この違いは大きいです(金融庁 NISA制度概要)。

なお、NISAの「生涯非課税保有限度額(1,800万円)」については、売却すれば翌年以降に枠が復活する仕組みがあります。復活しないのはあくまで「年間投資枠」の話です。

一方、控除期間が終了している・金利上昇で家計が不安・投資のマイナスに精神的に耐えられない、こういった方は繰上返済を優先・併用すべきだと思います。

ぶっちゃけ「どちらか100%」にする必要はなくて、「毎月8万の余裕資金のうち5万をNISA、3万を繰上返済」みたいなバランス型が一番現実的だと思います。

これだけは避けたい

NISA資産を取り崩して繰上返済に回す → 非課税の運用機会を自ら捨てることになるので、原則おすすめしません(ただし、金利上昇で返済継続が危ういなど”家計防衛が最優先”のケースは例外です)。

「金利が上がるかも」という不安だけで積み立てを全部やめる感情で止めると長期の複利効果を失います

まとめ

  • 住宅ローン控除が残っている間はNISA優先の合理性が高い
  • 金利上昇で家計が苦しくなるリスクがあるなら繰上返済を優先・併用
  • NISAの非課税枠(年間投資枠)は「今年限り」なので、可能な限り活用したい
  • 不安で全部やめるのが一番もったいない

住宅ローンと投資のバランスは人それぞれなので、この記事が判断の参考になれば嬉しいです。

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