※本ブログの情報は、特定の金融商品への勧誘を目的としたものではありません。投資の最終判断は自己責任で行ってください。
はじめに
今回は直近で大きな動きがあったビットコインの暴落について書いていこうと思います。
2月5日から6日にかけて、ビットコイン(BTC)が一時1,000万円を割り込む大暴落がありました。2025年10月に付けた史上最高値からほぼ半値という衝撃的な下落です。
私自身は暗号資産の税制改正の記事でも書いた通り、暗号資産はほとんど保有していないのですが、これだけの規模の暴落は市場全体のセンチメントにも影響するので、整理も兼ねて記事にしてみました。
「ビットコインが気になっていたけど怖くて手を出せない」「保有しているけどどうすればいいか分からない」という方の参考になれば嬉しいです。
何が起きたのか?数字で見るビットコイン暴落
まずは今回の暴落を数字で整理してみます。
※本記事中の円換算は執筆時点(2月7日)の為替レート1ドル≒156円を基に概算しています。為替レートは常に変動するため、実際の円建て価格とは異なる場合があります。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 史上最高値(2025年10月) | 約12万6,000ドル(約1,970万円) |
| 2月5〜6日の安値付近 | 約6万〜6万2,000ドル付近(約940万〜970万円) |
| 最高値からの下落率 | 約50% |
| 仮想通貨市場全体の時価総額減少 | ピーク時から約2兆ドル(約310兆円)減 |
(執筆時点で)2月5日から6日にかけて約10%を超える急落を記録し、ロイターによると2024年10月以来の安値水準まで下落しました。ブルームバーグでは一時6万1,000ドルを割り込んだとも報じられています。
ただし、6日の米国時間には一時12%超反発して7万ドル台を回復しており、2月7日時点では約1,040万〜1,100万円付近で推移しています。下がるときも上がるときも値動きが激しいのが暗号資産の特徴ですね。
なぜここまで下がったのか?5つの原因
「なぜここまで下がったのか」については複数の要因が絡み合っていますが、市場で材料視されたものを5つに整理してみます。
① 次期FRB議長にタカ派のウォーシュ氏が指名
トランプ大統領が1月30日、次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長にケビン・ウォーシュ元FRB理事を指名しました。現在のパウエル議長の任期が2026年5月に満了するのに先立っての指名で、今後上院の承認手続きが控えています。
ウォーシュ氏はタカ派(金融引き締め寄り)と見られており、市場では「利下げ期待がしぼむのでは」との懸念が広がりました。金利が高止まりすると、利息のつかないビットコインのようなリスク資産には逆風になります。
② AI・ハイテク株の急落がリスク資産全体に波及
AMDの決算下方修正をきっかけに、AI関連・半導体株が軒並み急落しました。ハイテク株が崩れると「リスク資産から資金を引き揚げよう」というムードが広がりやすく、ビットコインもその流れに巻き込まれた形です。
ビットコインは「デジタルゴールド」と呼ばれることもありますが、実際の値動きはハイテク株との相関が高い局面が多いのが現状です。
③ ビットコインETFからの大規模な資金流出
2024年1月に承認された米国のビットコイン現物ETFは、機関投資家の参入を加速させた一方で、下落局面では資金流出も大きくなります。ロイターによると、直近数日間でビットコインから約25億6,000万ドルの資金が流出したと報じられています。また、CoinDeskの報道では、2月3日だけで米国上場の現物ビットコインETFから約2億7,200万ドルのネット流出があったとのことです。
ETFの登場で「入りやすくなった」ということは「出やすくもなった」ということで、上昇も下落もスピードが速くなる構造になっています。
④ 貴金属市場との資金シフト
金(ゴールド)や銀が大きく変動する中、リスクオフの局面で「安全資産に資金をシフトしよう」という動きが出ています。ただし、ビットコインと貴金属の相関関係は時期によって変わるので、これだけが原因とは言い切れませんが、背景の一つとして挙げられています。
⑤ 「トランプ・ラリー」の巻き戻し
2024年のトランプ氏当選後、暗号資産に対する規制緩和期待から大きく上昇した、いわゆる「トランプ・ラリー」がありました。しかし、関税政策の強硬化や政府閉鎖(※2月3日に解除済み)などの混乱で期待が後退し、上昇分が巻き戻される動きが加速しました。
過去の暴落と比較してみる
ビットコインの暴落は今回が初めてではありません。過去の主な暴落と比較してみると、こんな感じです。
| 時期 | 下落率(概算) | 主な要因 | その後の回復 |
|---|---|---|---|
| 2011年6月 | 約94% | 初のバブル崩壊・Mt.Goxのセキュリティ問題 | 数年かけて最高値更新 |
| 2018年1月 | 約83% | ICOバブル崩壊・各国の規制強化 | 約3年で最高値更新 |
| 2020年3月 | 約50% | コロナショック | 約9ヶ月で最高値更新 |
| 2022年5〜11月 | 約77% | LUNA/FTX破綻・利上げ | 約2年で最高値更新 |
| 2025年10月〜現在 | 約50% | 上記5つの要因 | ? |
※下落率は高値から安値までの概算値であり、起点・終点の取り方や取引所によって数値は前後します。
こうして見ると、ビットコインが50%以上下落するのは珍しいことではないということが分かります。そして過去のケースでは、いずれも時間をかけて最高値を更新しています。
もちろん「過去がそうだったから今回も必ず回復する」とは限りません。ただ、歴史的に見れば暴落のたびに終わりが叫ばれ、そのたびに復活してきたのがビットコインの特徴です。
今後の注目ポイント
直近で注目しておきたいイベント・ポイントをまとめておきます。
米国の経済指標に注目。 2月10日に米小売売上高(1月分)が公表予定です。また、本来2月6日に予定されていた1月の雇用統計は、政府閉鎖(※2月3日に解除済み)の影響で2月11日に延期されています。これらの結果次第ではFRBの金融政策の見通しが変わり、ビットコインにも影響する可能性があります。
価格帯としては6〜7万ドルが節目。 一部のアナリストは、7万ドルを明確に割り込むと5万5,000〜5万8,000ドル付近まで下振れするリスクがあると指摘しています。一方、6万ドル付近で反発した動きを見ると、一定の買い支えも入っているようです。ただしテクニカル分析の見方は様々なので、あくまで参考程度です。
暗号資産の税制改正も引き続き注目。 以前の記事でも書きましたが、暗号資産の税率が最大約55%から20%台に引き下げられる方針が税制改正大綱に盛り込まれています。2028年1月以降の適用が有力視されていますが、この方向性が固まれば長期的にはポジティブ材料になり得ます。
個人投資家として今やるべきこと
暴落のニュースを見ると不安になりますが、こういうときこそ冷静に行動することが大事です。
パニック売りは避ける。 暴落時に慌てて売ると、底値で手放してしまうリスクがあります。過去の暴落を振り返っても、パニック売りが最善手だったケースはほぼありません。「自分はなぜこの資産を持っているのか」を改めて考えてみてください。
生活資金を削って買うのはNG。 「暴落=買い時」と思って全力投入するのも危険です。あくまで余剰資金の範囲内で、自分のリスク許容度に合った金額で投資するのが鉄則です。特に暗号資産はボラティリティが株式以上に高いので、「最悪ゼロになっても生活に影響しない金額」が目安だと個人的には思っています。
ポートフォリオ全体のバランスを見直す。 暗号資産の比率が大きくなりすぎていないか、今一度チェックしてみてください。私自身はインデックスファンドや高配当株をメインにしているので(毎月の運用成績でも公開している通り)、暗号資産は「あくまでサテライト」という位置づけが合っていると思っています。
まとめ
- ビットコインは2025年10月の史上最高値(約12万6,000ドル)から約50%下落し、一時6万ドル付近まで急落。その後7万ドル台へ反発。
- 主な要因はFRB人事(ウォーシュ氏指名)・ハイテク株急落・ETF資金流出・貴金属市場との資金シフト・トランプラリーの巻き戻し。
- 過去にも50%以上の暴落は複数回あり、いずれも時間をかけて最高値を更新してきた歴史がある。
- 今後は米経済指標(小売売上高2/10、雇用統計2/11)や暗号資産の税制改正動向に注目。
- パニック売りを避け、余剰資金の範囲内で投資方針を再確認することが大事。
約50%の下落は数字だけ見ると恐ろしいですが、ビットコインの歴史を振り返ると「いつものこと」とも言えます。大事なのは暴落に振り回されるのではなく、自分の投資方針とリスク許容度を改めて確認すること。
私は引き続きインデックスファンドの積み立てをコツコツ続けていくつもりです。暗号資産に関しては税制改正の動向を見つつ、今後少額でポートフォリオに組み入れるかどうかを考えていきたいですね。

